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上海便り第18号

2007-04-09更新

福岡市上海事務所の村上所長より、現地情報が届きましたのでご紹介します。


○上海の墓穴不足問題

 毎年4月5日は、中国では「清明節」と呼ばれ、亡くなった先祖を祭る重要な日である。人々はお供物(昔はお酒、果物などであったが、現在は生花で代えている)を持って、お墓参りに行く習わしになっている。
 
 今年の清明節直前の週末に、上海はお墓参りのブームを迎えた。3月31日の土曜日だけで、130万人(≒福岡市の人口)の市民がお墓参りに出かけた。一般に、お墓は郊外にあるため、市内から郊外へ向かう高速道路はどこも酷い渋滞になった。
 
 上海はすでに高齢化社会に入り、年間死亡者数は毎年増加傾向にある。専門家によると、2005年~2045年の40年間で、死亡者数は約600万人にのぼると見られている。そのためには、一人用のお墓が1.5平米、二人用だと3平米(お墓の規定面積)で計算すると(中国では、家族でお墓に入るのではなく、個人又は夫婦で入る)、約18キロ平米の土地が必要である。それは土地の狭い上海にとっては、重大な問題である。

 上海では、墓地の使用期限を70年と定めており、現在の市営公共墓地は全部で約3.34キロ平米、その内60%にあたる2キロ平米はすでに使用済みである。例えば、死亡者数が毎年10万人のペースで推移すれば、約5年後、上海にある80%の公共墓地で土地不足の危機が発生することになる。

 この状況の中、上海理工大学の喬教授は、「上海公共墓地40年計画」について、「40年後、墓地のリサイクル時代に入るだろう。」と発表した。また、喬氏は「これから上海の高齢化がもっと進み、2010年の年間死亡者数が約12万人、2020年が約16万人になる可能性もあり、小型墓地、墓地の使用期限短縮などの対策をとらなければならない。」と語った。

 さらに、上海市民政局出棺埋葬処の呂処長によると、間もなく公布される「新出棺埋葬管理条例」は現行規定の墓地面積を一人用、二人用にかかわらず、一律1平米に縮小することで、約26万平米の土地を節約できるようになる、と語った。

 1991年から、上海市政府は墓地を節約する様々な埋葬方法を提唱したが、実際利用された例は少なかった。たとえば、水葬を選んだ件数は1.3万件、また、1992年に提唱された樹木葬(火葬した遺骨を土に埋め、その上に植樹をする方法)を選んだのは2,400件のみであった。元々農耕民族であった中国人は「遺骨は荼毘に付し、埋葬するのが習わしであること」や、亡くなった両親を立派なお墓に埋葬することが親孝行の表れであるなどの伝統的な考え方があり、これまでどうり火葬によるものが圧倒的に多く、上海市の思惑通りにはいかなかった。

 上海公共墓地面積の不足に伴い、墓地の単価は上昇している。1平米が2万元(約30万円)もするようになったため、上海市民は隣の江蘇省昆山市(上海から西へ約50km)や蘇州市(昆山市から西方へ更に30km)などにある安価な土地を探している。

 国務院が10月に公布する予定の「新出棺埋葬管理条例」には、墓地面積と使用期限に関する改正や、奨励した方法で埋葬した遺族に対する優遇策などが盛り込まれる見込みである。


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